しょ~と・ぴ~すへの招待
しょ~と・ぴ~すの会は、最初読書会として発足しました。
会に参加した人が次の会のテキスト候補を挙げ、合議の上で決定し、だいたいはテキストの推薦者がレポーターとなって、内容要約と問題提起をして、皆で喧々囂々議論をする、という形で進めました。稀には著者の方にお出でいただいてお話をうかがうこともありましたが、ほとんどが一般の読書家の集まりです。
気楽と言うより、参加費として1,000円をいただく以外には規約も方針もない、なんともノンシャランな会で、そのおかげもあって。なんとなく、89回も続いたのだと思います。
しかし、一昨年、多士済々と呼んでよい常連メンバーも揃ってできたところから、読書会というよりは、会員相互の持ち寄りで、一定のテーマについて発表してもらい、それについて議論をするようにしたらどうか、と小浜逸郎氏より提案がありました。これに従い、一昨年の第90回からその形にしました。
これがやってみると、予想以上に面白い会になりました。個人的に体験し、こだわって思索を重ねた事柄は、人間誰しもあるでしょうが、それをまとめて発表して、他の人の反応に直に接する機会は、そんなにはないものです。また、聞くほうからすると、一人の人の肉声で、多様な「現代」の一面を、いわば等身大で、生き生きと伝えられたような感興を得ることができます。
できるだけ長くこの試みが続くように願っております。そのためにはより多くの方に当会に参加していただき、会全体を豊かなものにしていくことが不可欠です。
参加のためには、参加費と、社会人としてごく普通の常識以外には、いかなる資格も要りません。その代わり、たとえ発表していただいても、経済的・社会的な報酬はありません。読書とはまたちがった、純粋な「知的な喜び」しか得るものはないでしょう。それでよい、とおっしゃってくださる方は、どうぞお気楽にご参加ください。
(由紀草一)